www.woodpecker.me 更新日=2022-4-10

 ■撮影機材

主要更新
◇'21-10-21:下記の2項目を削除した。
 [ 新150-400mmレンズ(2021-2-4)>]
 [ 新解像度評価]
 [ デジスコ再評価(2020-9-15)]
◇'21-10-8:下記の1項目を削除した。
 [ 500mm/F5.6レンズとテレコンバーター]
◇'21-2-4:下記の1項目を削除した。
 [ 新解像度評価(2020-9-15)]
◇'20-12-21:下記の1項目を削除した。
 [ お散歩野鳥カメラJ5(2020-11-12)]
 [ 1 Nikkor 70-300/J5解像度評価(2020-11-15)]
◇'20-9-15:下記の2項目を削除した。
 [ 新解像度評価(2020-7-20)]
 [ デジスコ再評価(2020-7-21)]
◇'20-9-12:下記の1項目を削除した。
 [ マミヤC500mm/F5.6評価(2020-7-21)]
◇'20-7-21:下記の1項目を削除し、再構築した。
 [ デジスコ再構築(2019-10-15)]
◇'20-7-20:下記の6項目を削除した。
 [ オリンパス・テレコンバーター評価
  (2019-9-1)]
 [ 振動軽減の工夫(2019-7-25)]
 [ ミラーレス一眼の撮影時間遅延
  (2019-1-19)]
 [ M12ネジによる解像度試験の考察
  (2018-9-19)]
 [ 保護フィルターの功罪(2017-3-17)]
 [ 新D500システム評価(2016-5-20)]
 [ Nikonによるシステム構築(2012年1月)]
◇'20-5-9:下記の2項目を削除した。
 [ 最新野鳥撮影システム構築 ]
 [ 撮影システム構築(2019年4月/7月)]
◇'20-1-23:下記の6項目を削除した。
 [ <Coolpix P1000との比較> ]
 [ E-M1Xの飛びもの対応能力 ]
 [ E-M1Xの初撮り ]
 [ 一眼レフ対ミラーレスの野鳥撮影 ]
 [ ミラーレスカメラの課題 ]
 [ D500とD750の高感度特性評価 ]
◇'20-1-23:下記の6項目を削除した。
 [ <Coolpix P1000との比較> ]
 [ E-M1Xの飛びもの対応能力 ]
 [ E-M1Xの初撮り ]
 [ 一眼レフ対ミラーレスの野鳥撮影 ]
 [ ミラーレスカメラの課題 ]
 [ D500とD750の高感度特性評価 ]
◇'19-9-19:一部文言集成(システム→レンズ構成)。
◇'19-8-2:下記の7項目を削除した。
 [ M.Zuiko 300mm/F4評価 ]
 [ Nikon 1 J5の活用 ]
 [ 新Nikkor 500mm/F5.6評価 ]
 [ Fujifilm X-T2 + 100-400mm評価 ]
 [ 新Tamron 150-600mm G2評価 ]
 [ Nikon 1 V3再評価 ]
 [ 新Nikkor 200-500mm評価 ]
◇'19-1-20:下記の2項目を削除した。
 [ Nikkorテレコンバーター評価 ]
 [ V1 vs. V3 評価 ]
◇'19-1-19:前日の同名の測定を再度注意深く行った結果、結論が変わったので前日の記事を削除した。
◇'18-10-22:下記の2項目を削除した。
 [ デジスコ再構築 ]/2018-1-7
 [ Coolpix P1000の解像度 ]/2018-9-29
◇'18-1-7:下記の1項目を削除した。
 [ デジスコ再評価 ]
◇'17-12-7:下記の1項目を削除した。
 [ Tam 18-400評価 ]
◇'17-7-24:下記の1項目を削除した。
 [ 新Sig 100-400評価 ]
◇'17-2-23:下記の7項目を削除した。
 [ 解像度評価のネジ ]
 [ OEMレンズについて ]
 [ 超望遠システム用雲台 ]
 [ Nikonによるシステム構築(2012年1月) ]
 [ 現在の機材 (2010年9月) ]
 [ 鳥見機材の選択(1) ]
 [ 手ぶれ補正効果 ]
◇'16-4-29:下記の2項目を削除した。
 [ D7200とD750の比較 ]
 [ デジボーグ試写評価 ]
◇'16-4-25:下記の7項目を削除した。
 [ 新500mm f4/FL評価 ]
 [ Sigテレコンバーター評価 ]
 [ Sig 150-600mm評価 ]
 [ 超望遠システム評価-2 ]
 [ D7100中心のシステム/2014年3月 ]
 [ 透明保護フィルターの害 ]
 [ 最新機材選択 ]
◇'16-3-25:下記の3項目を削除した。
 [ Sony RX100デジスコ評価 ]
 [ 超望遠システム評価 ]
 [ デジスコ比較 ]
◇'15- 8-1:下記の項目を削除した。
 [ Nikon 1 システム評価 ]
◇'15-4-19:下記の項目を削除した
 [ Nikkor 300mm/F2.8評価 ]
 [ テレコンバーターTC20E-III評価 ]
 [ D750評価 ]
 [ SDカード書き込みモード選択 ]
◇'14-11-18: [■データ保存には何がよいか?]に追記。
◇'14-11-10:評価法の見直しを行うことにし、下記の13項目を削除した。
 [ TC14E-III評価 ]
 [ Tam 150- 600mm評価 ]
 [ Nikon D7100評価 ]
 [ V1システム評価 ]
 [ 野鳥実物撮影評価 ]
 [ 超々望遠システム評価 ]
 [ Lumix FZ200評価 ]
 [ 鳥見機材の選択(2) ]
 [ Nikonシステム評価 ]
 [ 一眼デジスコ実写評価 ]
 [ デジボーグ実写評価(2) ]
 [ デジボーグ試写評価(2) ]
 [ デジボーグ実写評価(1) ]
◇'14-3-11: 時代遅れになった評価を削除。
◇'11-2-24: 手ぶれ補正効果移設。
◇'10-6-28:本欄新設。
OM-1のプロキャプチャー  Procapture Mode of OM-1
 OM-1はフラグシップとして格段の進化を遂げている。プロキャプチャーもその一つであり、一こまづつピント合わせをするSH2モードで試写した。ワカケホンセイインコが巣に戻ってくる場面を撮ったもので、どの方向から来るか予測がつかないので巣から飛び出る場面の撮影よりは難度が高い。

 この親鳥が遠くから飛んでくるのを察知し、巣穴にピントを合わせてシャッターを半押し続け、巣に帰った瞬間にシャッターを全押しした。結果としてシャッター起動前約1秒から記録されていた。画像は0.04秒毎(25枚/秒)に撮影される。 全画像ともピントが合った良い画像である。また、鳥認識もさせているが、この場合効果の有無は不明である。 <2022-4-10記>

■プロキャプチャー・モード:
    OM-1、SH2(25コマ/秒)、SS:1/2000秒、F4.5、換算400mm(150-400/F4.5)、ISO:320


ブラウザー表示品質比較  Display-quality comparison among several browsers
 本ウェブサイトはAdobe Dreamweaverによって作成している。かねがねDreamweaver上で見る画像より、ブラウザーのGoogle Chromeで見る画像の解像度が低いことが気になっていた。いわゆる「眠い」画像なのである。ふと思い当たる節があって、他のブラウザーで同じ画像を見てみた。驚いたことに、明らかに他のブラウザーの方が画像の解像感が優れている。ただし画像とは異なり、文字はアウトライン風の滑らかなフォントがある一方、ギザギザのあるビットマップ風のフォントもある。私の持っているブラウザー間で比較評価してみた。下記の表に示す。

ブ ラ ウ ザ ー 表 示 品 質 相 対 評 価
ブ ラ ウ ザー
文 字 品 質
画 像 品 質
プルダウンメニュー
総合評価
 Google Chrome ○ 滑らか △ 強コントラスト、低解像 ○ 適切 ◎ 優
 Firefox ○ 滑らか ○ 中庸、高解像 × 過長幅 ○ 良
 Safari × ギザギザ ○ 中庸、高解像 △ 狭間隙 △ 可
 Internet Explorer × ギザギザ ○ 中庸、高解像 △ 狭間隙 △ 可

 Dreamweaverで作成する本ウェブ頁はCrome上で都合良く表示されるように構成しており、かつ日本で最も使われているのはChromeであるので(Android版を含めるとシェア50%余)、今更Firefox向けに全体を再構築する元気も出てこない。またFirefoxではプルダウンメニューの表示も横幅が拡大されて適切ではない。画像の品質はあきらめて、Chromeをデフォルトブラウザーにしているのが現状である。

 Googleは認識してるはずであろうが、何とかして欲しいものだ。ただし、現在使っているこれらのブラウザーが最新バージョンであるかどうかはわからない。最新では改善されているかもしれない。  <2022-4-3記/4-23加筆/4-25加筆>

 ネットでブラウザーのシェアを調べてみた。下記に示す(2021年6月時点、WR webrageよりデータ借用)。予想以上にGoogle Chromeが圧倒的である。  <2022-4-27追記>


高ISO比較  A comparison at high-ISO for E-M1mk3 and OM-1
 昨月発売されたOM-1はイメージセンサーが背面照射型になり、かつ画像処理系も一新された。鳥認識などAFの食いつきも良くなり、多くの性能が向上したと言われる。高感度特性も1.5から2段分改善したと宣伝されており、実写で検分してみた。下記の画像が従来のE-M1mk3とOM-1のISOを変化させた場合の比較である。

 レンズは定評のある12-100mm/F4を用い、100mm開放でシャッター速度を変化して撮影した。ピントは鼻の先端に合わせている。各画像はJPG撮って出しで1000x800ピクセルにトリミングして示した。

 E-M1ではISOが高くなるにつれて線が太くなり、コントラストを高めていることがうかがわれるが、OM-1ではほぼ同じような太さで推移しており解像度をより高いISOまで保っていることから、両者で画像処理の方法が異なっていることをうかがわせる。また、高ISO時のノイズ除去効果も両者で異なっているように見え、単純に同じ基準では比べられないが、全体としてほぼ1段分の高感度時の解像度向上が認められる。緊急時にはISO25600でも使えそうなのはありがたい。  <2022-4-3記>


OM-1鳥認識AF  Inteligent AF of OM system OM-1
 E-M1Xの鳥認識AFにはまだ改良の余地があると思っていたので、昨日の発売日に入手したOM-1の能力を期待して試してみた。定量的な評価はできないが、メジロの体の一部が隠れていたり、前や周囲に花や葉、小枝があるような場合でもかなり正確に目を検出し、合焦してくれた。AF-Cで焦点エリアはCrossである。
 掲載した画像は、従来ピント合わせに何らかの障害がありそうなものばかりを集めたものである。E-M1Xよりはずっと使えそうである。  <2022-3-19記>

    M.Zuiko 300mm/F4 + 1.4xテレコン / OM-1(換算840mm)  下記の4画像:トリミングせず。


超望遠レンズシステム評価  An evaluation of telephoto-lens system
 野鳥撮影を始めて約11年、ペンタックスからニコンに移行して約7年、次第に軽いシステムを希求するようになってミラーレスのオリンパスに移行したが、ヤブの中で蠢く小鳥の捕捉に満足せず再びニコンを導入し、二マウントで約1年間運用した。一切の機材を二つのシステムで組むことになり、その煩雑さと費用対効果の悪さに辟易し、最終的にオリンパスで統一することにした。蠢く小鳥の捕捉に多少我慢すれば、その他の性能(換算焦点距離、露出補正、プロキャプチャー、重量、価格など)はオリンパスのミラーレスシステムが優ると判断した。

 とくに、オリンパスの望遠レンズ、M.Zuiko 150-400/F4.5M.Zuiko 100-400/F5-6.3ズーム領域全般にわたって均質な解像度を有しており野鳥との距離を勘案して適切な焦点距離を選択するのに便利である。さらに、テレコンバーターを用いても問題となるような解像度の劣化が生じず、極めて満足である。

 ただ、テレコンを装着した状態で短焦点側にズーミングした場合に解像度の劣化がどの程度生じるかが大きな懸案事項であったので、それを確認すべく解像度パターンの撮影をした。テストパターンとして長さ5mmの線をハーフピッチで0.1〜1.0mmと集積したものを自作した。このパターンを30m離れて撮影した。撮影に用いたボディはE-M1Xである。

[撮影テストパターン] 自作した、長さ5mmの線をハーフピッチで0.1〜1.0mmと集積したもの。
[撮影カメラ・距離撮影] Gitzo35シリーズ三脚に乗せたE-M1Xをテストパターンから30m離して撮影。

 結果は 以下の通りである。

合成焦点距離: 1500mm (35mm換算:3000mm)

合成焦点距離: 1000mm (35mm換算:2000mm)

合成焦点距離: 800mm (35mm換算:1600mm)

合成焦点距離: 500mm (35mm換算:1000mm)

合成焦点距離: 300mm (35mm換算:600mm)

■結論:
 ・テレコンバーターを装着した状態で短焦点側にズーミングすると僅かに解像度劣化が認められるが、あえてテレコンを脱着
  しなければならないほどの差はない。
 ・150-400/4.5と100-400/5-6.3との間に僅かに差は認められるが、ほとんど無視できる差であると判断する。
  <2021-10-21記>

E-M1X鳥認識AF  Inteligent AF of Olympus E-M1X
 オリンパスE-M1Xの鳥認識AFにあまり期待していなかったが、YouTubeで良好な使い勝手が報告されていたので試してみた。期待よりはるかに精度よく素早く合焦してくれた。

 ノビタキが数羽渡りの途中で稲刈り中の田圃にいる。近い距離で2〜30m、遠い距離で7〜80mほど。レンズは300mm/F4に2倍テレコンをつけて35mm換算1200mm。SSは1/1000で連写した。下に示した4枚はトリミング無しの画像である。結果は、@近いところは言うに及ばず、A突然の侵入者に動じることなく、B周囲のゴチャゴチャにもめげず、Cこんな遠方の個体まで認識した。

 最初、大きくピントを外した状態では認識しない。当たり前である、写った画像そのものから認識するので→「無い袖は振れない→無いものは認識しない」。その場合はマニュアルで大雑把に合わせる必要があるが、600枚撮ってはずしたのは2〜30枚。歩留まり90%以上。大いに満足だ。

 多分従来のAFでも精度は同じだと思うが、鳥認識AFは鳥をフレームのどこに置いておいても合焦するので、フレーミングが恐ろしく楽である。 従来の「中央で合焦させ、そのまま半押しでフレームを動かし、丁度良い位置に鳥を置いてからシャッターを全押しする」と云う操作が不要になる。大いに満足、E-M1Vの出番がなくなりそうだ。  <2021-10-8記>

    M.Zuiko 300mm/F4 + 2xテレコン / E-M1X(換算1200mm)  下記の4画像:トリミングせず。
 @近いところは言うに及ばず、  A突然の侵入者に動じることなく、
 B周囲のゴチャゴチャにもめげず、  Cこんな遠方の個体まで認識した。

必要解像度  Required resolution
 印刷物には350dpi、展示写真には200dpiが必要十分な解像度と言われる。人間の視力との兼ね合いで必要な解像度を考察してみた。
 人間の視力は、右に示す国際標準のランドルト環で評価する。このような一部が欠けた直径7.5mmのドーナツ状画像を、5m離れて欠けた部分を認識できれば視力1.0と定義される。日常生活においては1.0あれば十分である。

 切りかけ部分の角度θgapをラジアンで表せば
   θgap = 1.5/5000 = 3x10-4 rad である。  
 一方、印刷物を30cmの距離から眺めると、350dpiの1ドットの角度、θbook
   θbook = 25.4/350/300 = 2.4x10-4 rad
となり、展示写真を1mの距離から眺めると、200dpiの1ドットの角度、θdisplay
   θdisplay = 25.4/200/1000 = 1.3x10-4 rad
と求められる。これらは人間の視力で解像する能力をかなり下回っているから、これで十分といえる。とくに展示写真では100dpiでも十分であろう(舐めるように顔を近づけて観賞する輩は除いて)。

 いっぽう、標準的な画素数2400万(6000x4000)のデジタルカメラで撮った写真は、人間が感知する解像度を損なわずにどこまで伸ばすことができるであろうか。100dpiが必要とすれば、長辺の長さL
   Ldisplay = 6000*25.4/100 = 1524 mm
となる。B0(1030x1456mm)でも十分な大きさと言える。

 かつて、オリンパスのギャラリーで、岩合氏、海野氏、菅原氏など著名なプロが野生動物や野鳥の写真を展示していた(使用カメラは2000万画素のE-M1X/E-M1 mk 2/mk 3)。大きい写真はB0ほどであったと記憶している。このとき展示写真の精細度を見て感動し、画素数は2000万もあれば十分であると納得した。相対的に軽く、小さく、安価なオリンパスシステムに全面移行する技術的支えになった。
     <2020-12-22記>

木星土星大接近  A great approach of Jupiter and Saturn
12月21日:昨日と今日21日、約400年ぶりに木星と土星が大接近するとニュースで告げていた。急に思い立って撮影してみた。デジスコ(3000mm相当)で撮ったが、露出やISOなど最適な設定ができず満足のいく画像が撮れなかった。
12月22日そこで翌日の本日、再度挑戦した。野鳥撮影に用いている定番の[M.Zuiko340+2X+E-M1V(1200mm相当)]を用いた。土星の環、木星の二つの衛星が見られて感激した。デジスコ(2000mm相当)でもほぼ同程度の写真が撮れた。
■12月23日:[M.Zuiko340+2X+E-M1X(1200mm相当)]を用い、[MF+拡大]で月に焦点を合わせてそのままリングを動かさずに木星を写すという手順を工夫して撮った。成功する確率が格段に上がった。木星の衛星が三つ写っていて感激した。四大衛星なので、一つは木星の裏に隠れて見えないと推測する。

 □2020-12-23 @17:12 <面積1/32にトリミング> 35mm換算6800mm


 2020-12-23 @17:06 <面積1/3にトリミング> 35mm換算2080mm
     <2020-12-21記/12-22追記/12-23追記>

プロキャプチャーの意義  Significance of Procapture Mode
 オリンパスE-M1Vには“シャッターを切る前の写真が撮れる”プロキャプチャー機能がある。シャッターボタンを半押した時から撮影を開始し、全押しした瞬間から最大35コマさかのぼって画像を保存する。シャッターボタンを半押ししている間焦点が合い続けていなければならないので、ファインダーに入れるのさえ難しいせわしなく動く野鳥には使えない。本日、モズに出遇ったのでこれを試したくなった。

 モズは高い所に止まって周囲を見渡しながらじっとしている。餌を見つけると飛び立つので、絶好の被写体になるはずである。実際二回飛び立ちを撮影した。二回目の連続画像を下に示す。期待以上の出来であった。このモズは前後ではなく左右に移動したので焦点が合い続けたことは幸運であったし、飛び出したがすぐ気が変わって後戻りしたのでこれだけ多く画面に入った。もし遠くへ飛びさるのだったら、多くても数枚しか捉えられなかっただろう。

 この撮影条件は1秒間に60コマ撮影するモードなので、下の写真は最初から最後まで0.2秒である。人間の反応時間(目で見たり、音を聞いたりしてから行動を起こすまでの時間)は高々0.15〜0.25秒なので、飛び出した瞬間を狙ってシャッターを押したとしても、反応時間後の1枚の画像が記録されるかどうかという結果になる。 <2020-10-20記>

■プロキャプチャー・モード:
    60コマ/秒、SS:1/2000秒、400mm(換算800mm)、F7.1、ISO:1600 / Olympus OM-D E-M1 MARK V>


超望遠・実パターン解像評価  Resolution of ultra-telephoto lenses
 無機的な解像度評価パターンでは、いま一つ実際の感触がつかめないので、予てから試写していた75m離れたM12ネジを撮してみた。相対的に評価の低かった100-400mm+テレコンであったが、十分使えると判断した。   <2020-10-1記>
ISO=200、レンズ開放(等倍に拡大:233x233ピクセル)
M.Zuiko 300mm/F4/E-M1 V M.Zuiko 100-400mm/F5-6.3/E-M1 V
2X teleconverter (換算1200mm)
1.4X teleconverter (換算1120mm)
2X teleconverter (換算1600mm)
25X eyepiece (換算1250mm) 40X eyepiece (換算2000mm) 60X eyepiece (換算3000mm)
Digisco TSN884/TE-11WZ/M.Zuiko 25mm/F1.8/E-M1 U


撮影システムの変遷   A history of photographing-system transistion

  期
  撮 影 シ ス テ ム 概要


 第5期
  (2020〜)
 MFTミラーレス
 でシステム構築


   (2021-10-21)
 2019年末、オーストラリアに持ち出したOlympus E-M1X + 300mm/F4 + 1.4Xは扱いやすかったが、葉の茂った木々の中でうごめく小鳥の撮影に失敗することが何度かあり、ミラーレスで野鳥撮影システムを構築する事に迷い始めた。そこで迷いを払拭するべく、D500と両方持ち出して野鳥撮影を繰り返した。また、EVFの反応時間を実測するべく測定器を自作して実験を繰り返した。
 この結果を踏まえ、「EVFの表示遅れによる弊害はわずかに認められるが、実質的には人間の反応遅れが大勢を占めており、ミラーレスの長所を勘案すれば容認できる範囲内である」との結論に至った。これによって迷わずOlumpusを中心にMFTで全システムを構築することにした。2021年10月現在の遠征旅行撮影システムは下記の通り。

 @Olympus E-M1X + M.Zuiko 150-400mm/F4.5 + 1.4X (あるいは2X)
 AOlympus E-M1 V + M.Zuiko 100-400mm/F5-6.3 + 1.4X (あるいは2X)

 第4期
  (2018〜)
 ミラーレス試用
 軽くてハンドリングに優れたシステムとして将来性のあるミラーレス一眼に眼を向けた。最初FujifilmのX-T2X-H1を試していたが、Fujifilmに超望遠レンズを出す気配もなく、野生動物写真を重視することはなかろうと思い始めた。それ以外では、素晴らしいシステムであると評価した。
 そこで、AF性能や強力な手ぶれ補正のあるOlympusを選択した。Olympusのミラーレス一眼は、MFT(マイクロフォーサーズ)フォーマットであり、換算焦点距離が2倍になるのも遠方の野鳥撮影には有利である。E-M1UE-M1Xを購入した。

 第3期
  (2016〜)
 Nikonで充実
 Nikonシステムも充実し、軽くて小さな500mm/F5.6および300mm/F4とD500に移行した。D500はAPS-Cセンサーなので、換算焦点距離を1.5倍に延ばすことができる。500mmが実質750mmになるので、今でも素晴らしい野鳥撮影システムを構築できると評価している。
 D500のボディは大きく重いが、信頼性にも特別配慮した設計である。記録メディアを二つ内蔵しているので、記録を失う確率は極めて低い。ただ、風物対象をも含めた全携行システムとして構築するには重くて嵩張るのが難点だった。

 第2期
  (2012〜)
 Nikonへ移行
 Pentax純正のAF超望遠レンズがないことが致命的となり、2012年1月からNikkorの500mm /F4および80-400mm/F4.5-5.6とD7000の組み合わせをメインに、システム全てをNikonのFマウントに鞍替えした。その後、Nikkor200-500/F5.6やTamron200-600mm/F5-6.3などを買い増した。
■異種選択:デジタル一眼レフ(Pentax *istD〜K-5、Nikon D7000からD7200)、ミラーレス一眼(Nikon V1)、デジスコ(Kowa TSN884)、デジボーグ(Borg 101)といろいろ試してきた。9年間使ってきたPentaxでは最後にK-5を選んだ。ボディーの性能にはほぼ満足していたが、いかんせん500mm以上のAF純正レンズがなく、かつSigmaの50−500mmを使ったがテレコンバーターとの相性が悪かった。
■風物対象:野鳥が豊富にいるところは、概してすばらしい風景が拡がっている。野鳥も入れて広く風景を撮るために別途カメラが必要で、この時期フルフレームのD750も携行していた。

 第1期
  (2009〜)
 Pentaxへ重点化
 2009年退職するに当たり本格的に野鳥撮影に集中する事にした。かつて10代、20代と蝶を追いかけて山野を巡っていたし、20代前半は何峰か3000m級の山に登っていたこともあり、人並みよりは自然への憧憬が高かったのだと後に理由付けした。初見の鳥を探して撮影し、その数を増やしていくのは蒐集癖を満たすのにも好都合である。対象は全世界におよび、一万種にも達する。目を引く極めて美麗な種も多い。

 第0期
  (2009以前)
 デジタル一眼
 *istD選択
 2000年代前半、各社からデジタル一眼レフが発売され始めたおり、2003年にPentaxから*istDが発売された。謳い文句は「世界最小・最軽量」で、単三型電池で動くのも利便性が良かった。まだ本格的に野鳥を撮るわけではなかったが、従来のPentaxレンズがそのまま使える便利さもあり、初めてのデジイチとして購入した。その後、旧い中古のA☆400mm/F2.8などを購入しては楽しんでいた。A☆400mm/F2.8は重さが5kgに近かったのではないだろうか。

  <2020-5-24記/2020-7-18追記>

フレームレート依存反応時間測定   A measurement of release time with frame rate
 E-M1 mk 3のEVFは一秒間に60回切り替わる標準モード(60fps)と120回切り替わる高速モード(120fps)がある。一枚の表示時間は標準で16.7ms(=1/60)、高速で8.3ms(=1/120)である。このフレームレートによる反応時間の差を測定した。EVF/OVFの場合と同じように交互に10回ずつ計60回測定した。
 結果を下に示す。分散の大きな測定ではあるが、両者の差4.6ms(=194.8-190.2)は有意な差ではないかと考える。

 EVFでフレームが切り替わった直後に撮影するのとそのフレームの最後の瞬間では時間差がある。平均すると標準で8.4ms (= 1/(60x2))、高速で4.2ms(=1/(120x2))であり、両者の差は4.2msである。

 この4.2msに対応する実験値が上記の4.6msであり、このような荒い実験でも回数を重ねると、かなり意味のある結果が得られると思われる。むしろ値同士が近いことに実験者の私が驚いている。しかし、上記の実験も実験を繰り返すたびに反応時間が長くなっており、疲労による影響が出ていると推定する。人為的な要素が多くなるので、これ以上実験を繰り返しても意味がある程度に精度は上がらないであろう。

 以上でEVFに依存した反応時間の課題は解決した。高速フレームレートにすれば多少は反応遅れの問題も軽減されるかもしれないと期待していたが、4msでは人間の反応時間の方がはるかに大きいのでほとんど意味はないであろう。また、高速フレームレートではレートの上昇に比例して消費電力も大きくなるので、使わない予定である。
    <2020-5-22記>

EVF/OVF反応時間測定   A measurement of release time for EVF and OVF
 自作した反応時間測定器を使い、Olympus OM-D E-M1 mk 3とNikon D500の反応時間を測定した。
  @E-M1 mk 3のEVF(電子ファインダー)を覗いて、測定器のランプが光ったら即シャッターを押す。これを10回反復。
  A肉眼でランプを見ながら、光ったら即E-M1 mk 3のシャッターを押す。これを10回反復。
  BD500のOVF(光学ファインダー)を覗いて、測定器のランプが光ったら即シャッターを押す。これを10回反復。
  C肉眼でランプ見ながら、光ったら即D500のシャッターを押す。これを10回反復。

 この連続動作を延べ10回行い<@→A→B→C→@→A→B→C→@→A>、10回ごとの平均値と標準偏差σを計算し、[平均値±σ]の範囲外のデータは削除して残った値の平均を算出する(削除したデータは全体の約15%である)。その値を下記に示す。


 この実験によって長年の懸案事項がほぼ解決された。OM-D E-M1 mark 3のEVF表示の遅れはおおよそ20ms(0.02秒)であり、実験者の視覚と指の筋肉動作による遅延時間、約175ms(約0.18秒)の1/9である。

 納得した結論は、[ ファインダー内で激しく動く物体の補足にはある限定された短所があるが、EVFそのものによる絶対遅れは実質問題にならないほど小さい。人間の反応時間の遅れが主な要因である ]というものである。この一年、EVF対OVFでの葛藤が続いたが、最終的にEVF一本でいくことに決めた。

 なお、これらの実験結果でD500の反応時間がわずかにE-M1 mk 3に劣るが、その差が有意であるか否かは判断しない。ただ、実験している本人は、D500のシャッターストロークが若干長くて押しづらく、これによる遅れではないかと感じている。間を置かず交互に使ってみると、その差が顕著に感じられる。

 また、E-M1 mk 3の標準フレームレートは60fpsであり、17msごとにEVF画面が切り替わる。本機は高速の120fpsにも設定できるので、この場合8msごとに切り替わる。それによる反応時間の違いをも調べてみたい。
    <2020-5-9記>

反応時間測定器制作   A Home-made Response-time Measuremnt Instrument  OVFとEVFの反応時間の差を定量的に調べたいと思い、測定器の自作を試みた。電子レンジ回転台用の汎用AC同期モーターの中に、50Hz商用AC100V電源で15rpmという丁度良い仕様の製品があったのでネット通販で購入した。汎用品の為か予想よりずっと安価で、1000円に満たなかった。1分間に15回回るから、1秒でちょうど90°だけ回転する。

 このモーターの軸に120mmΦのCD-Rを加工した円盤を付けて回す。円盤の縁に付けた赤い針が頂上に来たとき、青色LEDの光が見えるように穴を開ける。見えた瞬間を下の左図に示す。この瞬間でシャッターを押した時の画像を右図に示す。この例の場合、約0.31秒遅れて露光されたことになる。これを反応時間とする。

 あるミラーレス一眼でモニターを通してシャッターを押した時と、肉眼で見ながら押したときの反応時間を測定したところ、下記の値が得られた。各々30回程度シャッターを押し、単純平均値より標準偏差σ(={Σ(xi-xav)2/n}0.5)以上離れた値を削除して得られた残りの値の平均であり、実験の精度はかなり高いと考えられる。

■モニターを通してシャッターを押した時  .......... 
■肉眼で見ながらシャッターを押した時  ............. 
■これらの差  ............................................... 
0.294秒
0.279秒
0.015秒

 これらの値は去年1月に試みた遅延時間の測定結果(■ミラーレス一眼の撮影時間遅延)と酷似していることに驚いた。 おそらく0.015秒の差は有意であろうと考える。つまり、[センサー受光→プロセッサ(→バッファーメモリ→)画像処理→モニター表示]という一連の処理におおよそ0.015秒かかると考えてよいのではなかろうか。この値は私の反応時間約0.28秒に比べて1/10以下であるが、試験回数を増やすことによって有意な値となると考えられる。今後詳細に検討したい。  <2020-2-21記>


(左)赤い針が真上を通過する瞬間の青色光を見てシャッターを押す→(右)この場合、0.29秒後に露光された。

[ 追実験 ] 5月9日にEVFとOVFによる反応時間の測定を行った。より正確な値がえられた。その結果はこの2月21日のそれを追認するものであり、一連の実験結果に確信が持てた。  <2020-5-10記>

OVF 対 EVF  Optical viewfinder vs. Electronic viewfinder  昨年11月、ミラーレス一眼をオーストラリアで初めて本格的な探鳥に使った。実際に記録される画像がファインダーで見られるので適切な露出補正ができる、全体に軽いのでハンドリングは容易であり疲れにくいなど利点も多い。ただ、当初予想していた短所もまた確認した。最も気になったのは、素早く動く小鳥の動く方向を見失う確率が増したことである。

 下に示すように、光学ビューファインダー(OVF)では常に姿が見えているので、ファインダー外に飛び出してもかなりの程度飛ぶ方向を予測できる。いっぽう、電子ビューファインダー(EVF)では、間欠的に表示されるので、最後の表示から急に方向を変えてもそれが予測できない。

 実際、この状況に何度も遭遇し、取り逃がした機会は数回に及ぶ。この問題が顕著になるのは、葉の茂った木々の中をちょこまか動くムシクイ、ヒタキ類の撮影である。これら以外の比較的大きな野鳥では動きが鈍く、動く方向が予想できるので大きな障害とはならない。現在120fpsのEVFの表示のリフレッシュレートを増せばそれに応じて問題は軽減される方向ではあるが、画面の取得速度には限りがあるので、どこまで改善されるかは見通せない。またD500+500/5.6に戻りたいとの欲望が頭をもたげてきたが、しばらくは様子を見るつもりである。    <2020-2-17記>

全オリンパスシステムへ変換  Complete change to Olympus M4/3 system  E-M1Xの購入により、マイクロフォーサーズ(M4/3)による全オリンパスシステム化を完成した。ボディ/レンズの組み合わせは下記の三者である。
@ E-M1X : 野鳥撮影  (主レンズ: M.Zuiko 300mm/F4 あるいは Pana Leica 100-400mm
A E-M1 mk U : 野鳥および風物撮影/@の予備  (主レンズ: M.Zuiko 12-100mm/F4
B E-M10 mk V : 旅の風物・スナップ撮影/Aの予備  (主レンズ: M.Zuiko 14-150mm ) 

 全システムをM4/3ミラーレスのオリンパスで統一した動機は、おもに長距離旅行への対策である。
(1) より軽量で嵩張らないシステムとしたい。
(2) レンズやそのほかのアクセサリーの重複を防ぎたい。
(3) 購入価格はより安価が望ましい。

 長い間、M4/3ミラーレスへの移行に躊躇した主な懸案事項は下記の三項目であった。
(4) ファインダーの時間遅れがもたらす素早い野鳥への対応障害。
(5) 小面積のセンサーによる画質の相対的劣化。
(6) 常時センサー動作によるバッテリーの速い消耗。

 (4)は想定よりは小さかったが、感覚的に確実に存在することが分かるので、今後実地で確かめていく。
 (5)は暗所の撮影において、35mmフルサイズに比べれば2〜2.5EV劣化し、APS-Cとは1〜1.5EVの差が見られた 。ただし、明るい場所ではその差がほとんど感じられないので、大部分の撮影では問題にならない。
 (6) 予備バッテリーを十分持参するしかないだろう。

 下記に従来用いていたNikon D500 + Nikkor 500mm/F5.6との比較を示す。500mm/F5.6はM.Zuiko 300mm/F4より大口径であり、解像度ではわずかに優れていると感じる。   <2019-8-2記>

定番の75m離れた電柱上変圧器のM12のボルト撮影による解像度テスト
レンズ構成
ボディ:E-M1X [@ISO200]    (等倍に拡大:140x140ピクセル)
@ M.Zuiko 300/4
+ 1.4X TC
(換算:840mm)
A M.Zuiko 300/4
(換算:600mm)
B Pana Leica
100-400

(換算:800mm)
C Pana Leica
100-400

(換算:600mm)

μ4/3の高感度特性 High-sensitivity performance of micro four-thirds
 長年ミラーレスカメラによる野鳥撮影システムの構築を狙ってきた。目的は小型化と全カメラシステムの統一である。海外撮影旅行に行くときは、最低でも3種類、時には5種類のバッテリー充電器を持って行かねばならない。一方、野鳥以外の撮影にはフジフィルムのシステムを選んだが、[Fujinon100-400mm + X-H1]の組み合わせでは、画質と即写性で[Nikkor500mm/F5.6 + D500]を凌駕できないことを認めざるを得なかった。ズームレンズ+テレコンバーターではやはり単焦点に肉薄することはできないのだろう。
 そこで、前々から狙っていたオリンパスのE-M1Uによるシステム構築を検討することにした。E-M1Uは筐体の小ささ、相対的に軽い質量、悪天候に対する信頼性、優れた連写速度とAFの確実性など、魅力のあるシステムを組める可能性が高い。評判の良い単焦点レンズ300mm/F4があることにも期待がふくらむ。E-M1Uレンズキット入手時に風物撮影用に購入した高倍率14-150mm/F4-5.6レンズが、焦点距離全域にわたって望外の高い解像度を実現しているのを確認したのも大きな喜びだった。
 しかし、前々からμ4/3の小さいセンサーによるダイナミックレンジの狭さ・高感度時雑音の大きさが危惧されていたので、検証してみた。約12cmの大きさのぬいぐるみを35mmレンズで約2mの距離から撮し、顔の部分を拡大した。部屋の電気を暗くしてF2.8のレンズを使い、ISO100で約10秒の露光時間である。まとめた結果を下の集成写真に示す。

<評価>
 期待には沿わず残念な結果である。E-M1Uの高感度特性は2〜3段階程度X-H1やD500に及ばない結果となった。野鳥以外の通常の撮影では、ISO1600以上を使うことはまずないので、これでも十分である。しかし、ちょこまか動く小鳥を撮るにはシャッター速度1/1000〜1/2000が必要で、直射日光の射さない森林の中ではISO6400〜12800を使わざるを得ないことがある。したがって、高感度時のこの解像度では期待を満たさない。また、遠くの野鳥を拡大するために大きくトリミングすることがある。そんな時、この高感度時解像度劣化は良像限界を狭める。
 長年の疑問点が実証によって解決されたので、気分はむしろすっきりした。ただ、MFT(マイクロフォーサーズ)の大いなる利点(小さく軽い、性能の割に安価)は疑いようがないので、高感度特性を念頭に置きながら使いこなす腕を磨いていかねばならないだろう。  <2019-2-11記>

位相差AFの基本原理 Principle of Phase Detection Autofocus
 デジタル一眼レフのAF(Autofocus: 自動焦点) においては、ファインダーを覗いている時点ではミラーレスカメラと違って撮像センサーに画像が投射されていないため、センサーの出力画像を用いたコントラストAFが使えない。そのため、一眼レフではミラーの中央部を半透明にし、ここを通過した画像の一部を使って位相差AFを行わせる。その原理が頭に直感的に入らないので、原理図をここに載せた。
 これを見ると、・明るい(F値の小さい)レンズほどAFセンサー上に結ぶ像の変位が大きいことから、AF精度が上がるポテンシャルを有すること、・F値が変われば結像部が移動するので、F値に対応する個別のセンサーが必要なこと、が理解できる。

  <2017-3-25記>   

優れた野鳥写真を撮るには Factors for superior bird pictures
 この四年間、集中して野鳥写真を撮ってきたが、よい野鳥写真を撮るために試行錯誤してきた。おぼろげながら、何が最も写真の質に関与するかがわかってきた。ここで言う野鳥写真とは、決して「野鳥が写っている芸術作品としての写真」ではなく、あくまで「図鑑に載せるような日の丸構図の拡大写真」である。この両者は撮り方の基本がかなり異なり、かつ「芸術作品としての写真」をまともに論ずるセンスも力量も私は持ち合わせていないので、後者についてのみ考察する。

 豊かな階調をもち、かつ高精細な図鑑的野鳥写真を撮ることに影響を与える因子は、大別して四つあると考えた。それらは、
                   距離、 大気、 光、 機材
であり、これらの「和(OR)」ではなく「積(AND)」で効いてくる。

1.距離: 撮像素子上に投影された野鳥の羽毛を高精細に描写するためには、撮像素子上に投影された羽毛の一本一本より撮像素子の画素ピッチは小さくなくてはならない。手元にあるオオセグロカモメの羽の羽脈を顕微鏡で観察したら、おおよそ1mmに30本あった。一本が約30μmである。私が今使っているNikon D7100はAPS-Cの撮像素子で約2400万画素あるから、画素ピッチは約4μmである。粗い計算でいえば、オオセグロカモメの羽脈をきちんと撮るには、羽脈一本に2ピッチ必要であるから、撮像素子上での拡大率が1/4以上必要となる。
 つまり、「高い解像度をもつ良い写真を撮るには近づけ」ということになるのであるが、これはまた「野鳥に強い観察圧を与える」結果になるので節度が必要である。野鳥の種類、周囲環境などにより節度ある距離は異なるので、固定的な数値を設定できないが、森林の中の小鳥に対してはおおむね10mが最低距離であろう。干潟など開けた場所の水鳥は50mにさえ近づけないことも多い。
 また、正しいマナーとして育雛中の巣を撮ることが禁じられているのは、その時期には親鳥の警戒心が特に強く、人間を含めて捕食者に敏感であるからである。近づいたことにより育雛を放棄した例をしばしば聞く。

2.大気: 野鳥との距離が長くなると中間の大気中での光の揺らぎが無視できなくなる。とくに陽炎が目立つような場合には悲惨な結果となる。フィールドスコープの結像をコンパクトデジカメで拡大して撮影する、いわゆるデジスコでは35mm換算で数1000mmを超える焦点距離が比較的容易に得られるが、実は遠方の野鳥にはほとんどその効果を発揮できない。拡大はできるのであるが、その分画像も潰れて写る。遠方の野鳥を撮るために持ち出しているのに効果が発揮できないというのは皮肉な話である。
 今まで何回かデジスコを使ってきたが、期待した効果が得られない場合が多いのそのためである。デジスコの宣伝には、野鳥が画面からはみ出すような写真を載せていることが多いが、近接することにより大気の影響を軽減するために外ならない。大気の影響が大きいことは、靄がかかった状態を想定すれば、容易に納得できる。

3.光: カメラの撮像素子は、光の量にほぼ比例した大きさの信号(電圧)を取り出すが、かならず雑音としての偽の信号が重畳する。野鳥の映像による信号がこの雑音信号に近づけばその分だけ画像が荒れる。平たく言えば信号対雑音比(S/N比)の悪化である。
 また順光より逆光のほうが野鳥の微細構造をつぶす。写真作品では逆光の方が印象的な画像が撮れる場合があるが、野鳥そのものに焦点を当てれば階調や精細感は劣化していることが多い。

4.機材: 主にカメラの性能である。ダイナミックレンジ、階調、解像度などは当然強く影響するが、距離が遠くなればその効果は減殺される。近ければ近いほど、より性能の低いカメラでも相対的に良い画像を撮ることができる。
 近年、換算1000mmを超えるコンパクトデジカメが各社から発売されているが、削減しなければかなりの良像を得ることができる。しかし狭いダイナミックレンジは如何ともしがたく、白飛び・黒潰れが発生する度合いが増し、期待した階調が得られないこともある。
 価格、重さ、大きさを無視すれば、いわゆる大砲と呼ばれる単焦点超望遠レンズ、たとえば800mm/F5.6、600mm/F4、あるいは500mm/F4にフルサイズあるいはAPS-Cフラグシップモデルのカメラボディーを組み合わせたシステムに勝るものはない。
 いっぽうカメラの性能を引き出すためには三脚も重要である。重く、振動をよく吸収し、扱いやすいものが望ましい。 <2014-3-6記>

追加>重要な因子を忘れていた。撮影技術である。
5.撮影技術: 三脚を固い地面に置き、シャッターは羽にさわるように押す、できるならリモートレリーズを使う。ピントはライブビューで追い込むのが良いのは当然である。逆光時にはとくに露出補正が重要になる。しかし、人間の意のままにならぬ野鳥の行動は、これらの技術を駆使できる機会を奪うことも多い。 <2014-11-11記>


大口径レンズの利点 Advantages of big-aperture lens
 2012年1月に500mm/F4レンズを入手してから、解像度、コントラストなど画質の素晴らしさに感動していたが、もう一つ重要な利点に気がついた。木々の枝が茂っているようなところで姿が見え隠れしている小鳥を撮ると、自動焦点動作が働く範囲が広いようなのである。そこで下図のような光路を考えてみたら当然と思えた。 <2014-2-8記>

メインのシステム(2012年8月) My main system as of August 2012

 メインのシステムを担いで、インドネシア・スラウェシ島のタンココ自然保護区を往く。道らしきものはこれ一本だけである。野鳥を求めては、右側のジャングルに分け入る。ジャングルにはほとんど下草がなく薄く枯れ葉が敷き詰められているからどこでも歩けるが、その為かえって迷いやすく危険である。く2012-7-1>。

 メインのシステム(Nikkor 500/4+TC14E+D7000)は三脚:Gitzo 3541、雲台:Benro GH-2こみでほぼ9kgである。サブカメラシステム、双眼鏡、レンズの雨覆い、携帯椅子、雨傘、ポンチョ、水などを含めると全部で15kgにはなる。 重さにはなんとか慣れたが、長い上り坂はいまだにつらい。とくに温度・湿度ともに高い熱帯ジャングルではなおさらだが、初日はほぼ8時間歩きづめだった。次々と初見の鳥がでてくるとつらさを忘れる。げんきんなものである。

 ほとんど左肩でかつぐので、鎖骨の上は堅くなりつつある。三脚だこであろうか。背骨のまがりに癖がつきはしないかと時々右肩にするが気休めだろう。30歳台半ばにぎっくり腰をやった後遺症だろうか、電車の中で30分も立っていると左足がしびれてくるが、初見の鳥が次々にでてくると8時間歩いても大丈夫だった。  <2012-8-25記>

データ保存には何がよいか?  What is the best way for data storage?
<背景>
 仕事でも趣味でもパソコンに頼るようになると、保存するデータが山のようにたまる。特に、写真の画像データ保存や書類のpdf化を行いだすと際限がない。たぶん、今では世界で億という単位で頭を悩ませている人達がいるだろう。私自身もまもなく、保存すべきデータが1T(テラ)バイトにせまっている。ごく一部のRAWデータだけ残し、ほかは中程度にJPG圧縮したにもかかわらず。

<CD-RやDVD-Rは危険>
  このデータの保存には、多くの手段がある。過去に様々な手段が供せられてきたが、時代とともに消えていったメディアも多い。詳しくは記さないが、これらのメディアの共通点は保存性が悪いことである。100枚を超えるフロッピーディスクを整理するために読んだら、10%以上読めなかった。CD-Rもかなり保存性がわるい。

 私は今はやりのCD-RやDVD-Rをまったく信用していない。これらを太陽光にさらすと1日とたたずに真っ白に変色する。たとえ暗闇でも酸化雰囲気中では室温の熱によるデータ破壊が確率的に起きる。十分な保護膜を均一につけていない粗悪品では特に始末が悪い。この種のメディアではMO(magneto-optical:磁気光学)の信頼性が高いが、日本だけで普及し、結局今は廃れつつある。熱と磁気を同時に加えて記録するので、記録エネルギーが高く、その分データ破壊に高いエネルギーを要するからであろう。

 これらのメディアはそのドライブの存続性も問題だ。最近ではフロッピーディスクドライブを内蔵したパソコンがどんどん消えて行っているが、フロッピーで記録している人は困るだろう。CDもCD-RやCD-RWに加え、プラスとかマイナスとか何が何だかわからなくなる。

<ハードディスクを選ぶ>
 では何がいいかということである。上記のメディアの他の欠点は記録速度が遅く、かつ容量が最大でも数ギガバイトしかないので、多くの枚数を必要とし、その分だけデータ破壊の危険性が増すし、管理も煩雑になる。記録速度が遅いということは、頻繁な対応が面倒になり結局バックアップがおろそかになる。

 私はハードディスクドライブ(HDD)を選択した。デスクトップパソコン・マザーボードのe-SATAコネクターに全く同じ外付けHDD二台を直接接続し、常にこの二台に同時にデータを保存する。一台が壊れたら、その時点で入手できる最善のHDDをつなげばよい。同じものである必要はない。この点は重要である。現在のUSB2やIEEE1384は遅くて、結局バックアップがおろそかになる。ものぐさな人ほど記録スピードが決め手である。現在では1テラバイトでも1万円台になって求めやすくなった。

 パソコン本体のHDDにはOSとアプリケーションソフトだけ入れる。ここにデータを入れたら画竜点睛を欠くことになる。使い方も含めたOSやアプリケーションソフトの不備によって、HDDをフォーマットせざるを得ないことがあるので、その時には一緒にデータも消えてしまう。

<RAIDでも万全ではない>
 HDDも壊れる。世界でもっともHDDを沢山使用しているのはGoogleであるそうだが、彼らのHDDの平均寿命は3年であるとのニュースを聞いたことがある。HDDは電源をオンしたスタート直後に壊れる確率が高いのであるが、Googleのサーバーは24時間稼働であろうから、彼らの使用条件が特に厳しいというわけではなかろう。一般的な故障率であると考えてよいと思う。

 HDDは壊れるけれど、RAIDにすれば安全だという“常識”は必ずしも当たっていないと私は思っている。「RAIDのコントローラーが壊れたらどうするのか?差し替えできるコントローラーを載せたボードがこの先10年も準備されているのか? かつ壊れたHDDを取り換えればいいというが、その時に差し替え互換性のあるHDDが入手できる保証はあるのか?」という疑問に応えてくれるメーカーはない。まあ、多少聞きかじった半素人の私がこんなふうに思っているので、玄人は先刻承知だろうと思う。

  そこで、上記のように同じe-SATA-HDD二台をボードに直接接続する方法を選択したのである。e-SATAを介したやりとりは現在一般にアマチュアが入手できる最高の書き込み速度であるから、これに満足しなければ他に選択肢はない。オフィスに2台、自宅に2台を保存用に設置している。

<究極の保存メディアは紙>
 何年か前、米国の国立公文書館が、最も信頼できるメディアに紙を選び重要な記録は紙で残すと発表した。コンピュータ用メディアの歴史は高々この数十年であるが、紙は3000年でも立派に残っている(もちろん今普通に用いられている酸性紙などは論外で、天然繊維などそれ相当の材質が必要であろう)。

 納得いく選択ではあるが、現在の情報・通信産業には皮肉な選択となった。ディスプレイ上の文章の解読度は紙のそれの80%程度という研究結果を聞いたことがあるが、その点でも紙がすぐれている。80%という数字の確度はともかくとして、きちんと文章や図面をチェックするときには必ず紙にプリントアウトするから、その傾向は理解できる。   <2008-9-23追記>


[追記]<SSD(Solid State Drive:固体ディスク)の信頼性>

 最近、フラッシュメモリで構成したSSDが用いられるようになってきた。HDDに比べて読み出し速度が高く、機械的な可動部分がないことから振動などにも強いことが評価されて、持ち運ぶラップトップ・コンピュータから用いられ始めた。OSの読み込みも速いから、電源オンからの待ち時間も短い。フラッシュメモリの低価格化によって、HDDの価格に近づいてきたことも普及に輪をかけている。このSSDはHDDの信頼性と比べてどのような位置づけにあるのであろうか。またその将来性は?

 SSDの信頼性は、まさにフラッシュメモリの信頼性にほかならず、私のような半導体デバイスを開発してきた者にとって、必ずしも手放しで受け入れられる状況ではないと思っている。半導体製品は、その構成要素たるトランジスタが小さくなればなるほど単位面積に多くの機能が凝縮できるから、機能当たりの価格は安くなる。ビット当たりのメモリの価格は30年間で100万分の1になったのがよい例である。トランジスタが小さくなると様々な擾乱に弱くなり、その対策のために多くの新技術を投入してきた。コンパクトフラッシュやSDメモリカードなどは、動作時に個々のトランジスタの性能を監視してして、劣化の激しいトランジスタは、使用を制限したり、排除したりすると聞いている。また特定のメモリセルに書き込みが集中しないようにコントローラーで制御するともいわれる。

 詳しくは記さないが、すでに64GBのSSDが2台も壊れた個人的な経験から、SSDはHDDと同じように壊れるものだという前提の下に使っていかねばならないと思う。   <2010-12-28追記>


[追記]<石英ガラスにデータを数億年保存> マイナビニュース(http://news.mynavi.jp/news/2012/09/28/093/から転載)

 日立製作所(東京都千代田区)は、京都大学工学部の三浦清貴教授らと共同で、耐久性の高い石英ガラスの内部に、コンパクトディスク(CD)並みの容量のデータを記録・再生する技術を開発した。記録の劣化がないまま数億年以上の保存が可能なことから、歴史的に重要な文化遺産や公文書などの新たな保存技術として期待される。

 記録媒体として普及しているCDやDVDなどは、高温湿潤の環境や直射日光などに弱く、条件が良くても100年ほどしか記録保存できない。デジタルデータの長期保存方法として、研究チームは、耐熱性や耐水性に優れる石英ガラスに着目した。 石英ガラス内部への書き込みとして、レーザー光線1発の持続時間(パルス幅)が数兆-数百兆分の1秒にまで短パルス化した「フェムト秒パルスレーザー」(1フェムトは1,000兆分の1)を使い、屈折率の異なる微小領域(ドット、点)を作り、ドットあり(1)とドットなし(0)のデジタルデータを記録する。

 今回は、レーザーのパワーやドットの間隔などを最適化して、幾層にも重ねて記録する多層記録技術や、レーザー光線の振幅や位相を2次元的に変調できる「空間位相変調器」を用いて、一度に100個のドットを記録する一括記録技術を開発した。 また、市販の光学顕微鏡を使って簡便にデジタルデータを再生し、読み取る技術も開発した。通常は、多層に記録された石英ガラスを光学顕微鏡で撮影すると、他の層のドット像がノイズとして映り込み、読み出したい層の画質が低下してしまう。これに対し、焦点距離を変えた画像を用いてドットのコントラストを強調する処理技術を開発することで、ノイズ問題を解決した。

 これらの開発技術によって、石英ガラス内の4層に記録し、単位面積(1平方インチ)当たりの記録密度をCDの35メガバイトを上回る40メガバイトを実現した。また、数億年以上の保存期間に相当する「1,000℃、2時間」の加熱試験でも、データの劣化もなく再生できたという。 <2012-10-4追記>

[追記]<e-SATA外付けHDDが市場から姿を消す>

 現在使っている2TBのHDDがそろそろ一杯になってきたので、4TBのHDDを購入しようと有名な量販店に行った。ところが一般アマチュアが使うようなe-SATA外付けHDDが生産中止になっていた。I-O data、Buffalo、WDなど何社かあるのだが全部もう製造していない。焦ったが、G-DRIVEというプロ向けのものがあった。汎用品の2倍以上の値段であるが、筐体が大きくしっかりしており冷却能力も高そうだ。

 HDDは周囲温度が上がると加速度的に信頼性が落ちるので、冷却能力は重要だ。これを使うとしても、今使っているHPとDellのデスクトップPCが壊れたときにe-SATAを繋げるPCが入手できない恐れが高い。これらはシリーズの最上位機種で、ほぼ三年前に買った当時でも最上位機種しかe-SATAインタフェスが外部に出ていない。

 時代はUSB3.0に移行している。転送能力はe-SATA同等なので問題は無い。もうほとんどがこれに統一されつつある。今まで多くのインターフェスが出現し、消えていったがまたかという気持ちだ。おまけにThunderboltという新しいインターフェスが出てきた。AppleがまずMacintosh用に提唱している。ただ、歴史的に見るとAppleの提案するインターフェスは出始めは性能でぬきんでて、Macintoshを先頭に使われるが、そのうちにWintel系に乗っ取られてきた。SCSI(スカジー)もそうだし、近くはIEEE1394(Firewire)もWintel系では消えかけている。USB4.0などというインタフェス が提唱されているかどうかは寡聞にして知らないが、ThunderboltがApple独自のインタフェスだとしたら同じようなシナリオが頭をよぎる。 <2014-11-18追記>


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